フェイキックIOL/ICL 体験記

レーシックを受けられず、フェイキックIOL/ICLを受けることになった。

(5) フェイキック 手術当日

 

手術当日、予定よりも30分くらい早めの来院だったけど、受付後すぐに事前の診察をしてくれた。
先生の診察はいつも通りあっという間で、「問題ありません。では手術頑張ってくださいね。」
 
何だか心こもってない感じがする。他人事のような。まぁ他人事なんだけど、もうちょっと親身な雰囲気だけでも出せないだろうか。
 
その後手術待合室で待たされる。手術後はしばらく保護用のメガネをかける必要があるのだけど、普段の使い慣れたメガネのレンズを度無しに変えてくれるサービス(2000円)のためにメガネを渡してしまったので、もう何も見えない。
 
メガネを渡した瞬間、もう完全に引き返せないところまできたと実感した。
 
あと、30分早めの来院の影響は、ここで手術までの待ち時間に響いただけのようで、何も見えない状態でただひたすら待たされる。
 
待たされる。
 
何も見えないから何もできない。
 
待たされる。
 
途中で麻酔やら抗生物質やらの目薬を3種類点眼される。
 
待たされる。
 
手術当日に早めに来てもあまり良い事は無いかもしれない。
 
待たされる。
 
 
そして名前が呼ばれ、手術の時間がやってきた。
 
待たされすぎたせいか、麻酔の効き目が弱くなってきたような気がしたのでその旨伝えると、「では手術前にもう一度麻酔しましょう」と、そのまま手術室に連れていかれました。
 
手術台に乗り、目の周りを消毒したり麻酔を点眼したりした後、しばらく待たされてから、執刀医が助手を何人か連れて入ってきた。
 
目のところだけ空いた布を顔に被せられ、目の周りにテープでベタベタ貼り付けて固定される。
 
「右目、左目の順にレンズを入れて、それからまた右、左の順に虹彩切開しますね。」
 
右目から、目を閉じられないように固定器具を取り付ける。この時なんか押さえつけられる感じで、結構痛い。
 
そして手術開始。
 
穴を開ける瞬間に目をかなり押される感じがするのと、レンズを挿入する時の圧迫感が痛い。
男だから経験する事は無いけど、初めて挿入される時はこんな感じなのだろうかと考えていた。痛いやら気持ち悪いやら。
 
あと先生が時々目をグリグリ押す。痛いよ。
 
右目が無事終わって、左目。左目はどうも麻酔の効きが弱かったらしく?、何度か追加の点眼?(そんな生易しいかけ方ではなく、ジャバジャバと目にかけられる)をされた。
 
目をグリグリ押されて「しみる?」と聞かれる。「いえあの、指で押されて痛いです。」するとまた追加で何かをジャバジャバかけられる。そしてまた指でグリグリ。…さっきよりはマシか…。
 
そして左目開始。右と同様の手順だけど、途中「ん?」だったか、「あれ?」だったか、わずかに何かモタついてる感じがあった。
 
が、程なくして終了。その後の虹彩切開も滞り無く終了。固定器具を外される時もちょっと痛い。つい足が浮く。
 
手術後、薄暗くて静かなスペースに移される。いや、病院内は基本的に静かだけど、ここは特に。ラウンジと呼ばれていた。
 
手術直後だからか、左目の視界がおかしい。全体的に暗く見えるし、光は赤く見える。右目は普通に、それなりによく見える。
 
その状態で、看護師の女性が目薬を持って来てくれた。説明の紙を見せながら、
「この三つの目薬を一日4回点眼してください。この順番で、それぞれの目薬は5分から10分くらい間隔をあけてください。二番目の目薬だけは、今日だけ、一時間おきに点眼してください。また就寝の一時間くらい前から点眼は控えてください。」
 
左目の視界が赤いのが気になって、何言ってるのか全然頭に入らない!
 
「あ…えっと、すいません、もう一度お願いします…」
 
 
完全に聞いてなかったところだけ聞き直したけど、全体的に頭に入ってなかったので、後で確認しよう…それよりも左目が気になる。
 
最初の点眼をしてから、一時間ほどこのラウンジで休憩させられる。
 
しばらくしてると、だんだん左目の視界が普通の色に戻ってきた。右目の視界もクリアになってきた。ちょっと一安心。
 
しかし!最初はクリアだった視界が、だんだんボヤけ始めていた。
おいおい、ぬか喜びか・・・
 
休憩時間が終わる頃にはすっかり両目ともあまり見えなくなっていた。
案内に来た女性に目の状態を伝えると、診察の前に検査してみましょうとのこと。
 
視力は教えてくれなかったけど、0.3〜0.5くらいまでしか見えなかった。
 
その後先生の診察。初めて、執刀医の方が診察してくれた。
 
「目に異物を入れたんだから、炎症を起こして当然です。手術直後からいきなり見える人なんていませんよ。明日になればだいぶ良くなるでしょう。」
 
 
そういうものか、じゃあ「二、三日で良くなりますかね?」「そんなに早くは無いですよ(冷笑)」「そうですか…」…ならどれくらいだよと思いつつも、それ以上何もコメントは無かった。
 
少しお腹は空いてたものの、あまり良く見えないので、さっさと家に帰ってから何か食べようと、電車に乗り込む。
 
 
 
ここからが本当の試練でした…
 
 
電車が動き出してすぐに、何なら変な汗が吹き出してきた。
慣れない視界で乗り物酔いしてしまったか?と思いつつも、そのまま乗ってるとますます気分が悪くなっていく。
 
あと吐き気よりもなぜかウンコがしたくなってきた。上から頭痛、下から便意と、上下に挟まれる形になった。
 
人は前後左右からの危険にはそれなりに反応できるけど、上からの落下物には弱いと以前TVで見た事があることを思い出していた。
 
きっと下からの攻撃にも弱いんだろうな。
 
途中、乗り換え駅で休みつつ、何とかかろうじて家までたどり着くことが出来た。3歳の娘が嬉しそうに迎えてくれたけど、ただいまもそこそこにトイレに駆け込む。
 
それからは布団で横になってウトウトしながら時間を過ごしつつ、点眼も忘れずに行う。
 
何時間かして、右目だけ、少し視界が良くなっていた。炎症がおさまってきてるのだろうか。左目はまだぼんやりしている。
 
夜になってもまだ少し気分が悪く、ご飯もあまり食べられなかった。
 
風呂はさっと流す程度で、頭も顔も洗わずに出て、そのまま就寝。
 
 
隣で寝てる、寝相の悪い娘のキックが目にヒットしないかが気がかり。